子育て中の作業療法士はにわです。
私は夫の転勤もあり転職を4回経験しています。(一般&療養病棟→回復期病棟→急性期病棟→クリニック)
長男を出産後は訪問リハビリ事業所のあるクリニックへ転職をしました。
訪問リハビリに興味があるけど、よくわからないから不安
子育て中で訪問リハビリへの転職を考える方も多いと思います。
私は子育て中に訪問リハビリへ転職してよかったと感じています。
この記事では
- 転職活動中で訪問リハビリに興味を持っている
- 子育てしながら訪問リハビリは働きやすい?
- 病院とどんなところが違う?
こんな疑問を解決します
リハビリ専門職の子育てで困難を感じること
第1子の長男を出産後、病院へ復帰しましたが子育てと仕事の両立が難しいと感じることは多くありました。
具体的には
- リハビリ時間が決まっているため急な休みの場合、スケジュール調整など同僚に負担がかかる
- 日々の記録や書類作成、新人指導、勉強会の準備など残業が多い
- 職場によっては土日や祝日に出勤が必要
以下に解説していきます。
急な休みが取りにくい
子育てしながら仕事をしていて一番悩むのが子供の体調不良時。
看病のため仕事を休まなくてはいけません。
病院勤務のリハビリ専門職は始業から終業までびっちりと患者様の治療で埋まっていることも多いです。
そのため
- 休みとなったスタッフの患者様を休みにするか、代行にするか決める
- 他のスタッフが空いている時間に休みとなったスタッフの患者様のリハビリをねじ込む
- 患者様へ変更(または休み)の連絡をする
上記の作業を勤務開始までに早急に行わなくてはいけません。
リハビリ事務職員等が代行して行ってくれる職場もありますが、どこかにリハビリ専門職の介入が必要です。
これでは休む方もフォローする方も大変ですよね。
残業が多い
以前私が勤務していた回復期病院は毎日1時間半以上の残業がありました。
帰宅はだいたい20時頃となります。
夫婦2人であれば問題ないのですが、子供がいるとそうはいきません。
主な残業理由は
- 患者様のリハビリ記録、経過報告書作成(勤務時間は患者様のリハビリ時間で埋まっているため)
- 学生・新人指導
- 勉強会への参加、開催の準備
勤務中に事務作業ができないため、残業時間が長くなっていました。
職場によっては土日や祝日の出勤が必要
病院は患者様の入院がある以上、365日稼働しています。
そして毎日リハビリを受けられることを売りにしている病院もあります。
その場合リハビリ専門職は土日や祝日の出勤が必要です。
日曜、祝日は保育園がお休みのところも多く、土曜は子供の行事があることも。
パートナーが協力的、近くに両親がいる場合は勤務可能ですが、いずれにしても調整が必要です。
なぜ訪問リハビリに転職したのか?
私は病院勤務退職後、訪問リハビリへ転職したいと考えていました。
その理由を以下に解説していきます。
作業療法士としてのやりがい
私は病院勤務で作業療法士の仕事にやりがいを感じなくなってきていました。
理由は以下の2つです。
- 作業療法士なのに病棟では介護士の仕事をさせられる?!
-
病院勤務の作業療法士が主に担当するのが日常生活動作のリハビリです。
主にトイレ、着替え、食事の練習を行っていました。
日常生活動作の練習は訓練室でも行いますが、実場面での練習も重要です。
そのため介護職員の方に「おむつ交換しておいてね~。」
と言われるなど、リハビリだけでなくケアを任されることもありモヤモヤしていました。
- 患者様の生活に合わせたリハビリがしたい!
-
長く勤務していると患者様へのリハビリがある程度同じことの繰り返しとなってしまいます。
病院という環境ではできることが限られるからです。
COPMやAMPSに興味があった私は患者様に合わせたリハビリができるといいなと考えていました。
給与が比較的高い
作業療法士の仕事の平均年収は約359万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。
求人ボックス給料ナビ
上記のように作業療法士の給料は日本人の平均と比べて低いです。
子育てには何かとお金がかかるので収入を上げられるとうれしいですよね。
訪問リハビリでは訪問件数に合わせてインセンティブが設けられている事業所が多いです。
そのため給与は高い傾向があります。
年収相場は400~600万円ほどです。
1日で診療する患者様の数が少ない
訪問リハビリになると「患者様」ではなく「利用者様」です。笑
病院勤務では1日に8~10人の患者様のリハビリを行っていました。
訪問リハビリでは1日に4~7件の事業所が多いようです。
毎日余裕を持って対応できそうですね。
訪問リハビリに転職して感じたメリット
給料が上がる
私の場合、最初の数カ月は訪問件数が少なかったため給料は上がりませんでした。
訪問件数が1日平均4件以上になると月2~3万は給与が上がりました。
インセンティブは事業所によって異なるため一概には言えませんが、転職すると給料は上がると言えそうです。
残業が減る
病院勤務では毎日1時間半以上の残業がありましたが、転職後はほぼ0になりました。
理由としては
- 書類作成が空き時間や移動時間でできるようになった
- 学生・新人指導は訪問リハビリの特性上、少なくなった
- 勉強会の準備や開催も業務時間内で行えるようになった
これは事業所が残業を減らすことを目標にしている影響もあると思います。
私の勤務している事業所では業務が時間内に終わるようICT化や効率化を進めていました。
- 同僚間のコミュニケーションはアプリを利用する
- 会議は移動中でも参加しやすいようにZOOMで実施
このような工夫がされていました。
休みやすくなった
私は訪問リハビリに転職したことで休みやすくなりました。
具体的には
- 対応する件数が病院より少ないため調整しやすい
- 事業所所属の療法士数が多く、経験年数10年以上
- 訪問リハビリは基本的に複数担当にしており代行が立てやすい
- 休みの連絡は専属の事務スタッフが行ってくれる
以上の工夫がされており、急な体調不良でも安心して休むことができています。
訪問リハビリに転職して感じたデメリット
訪問リハビリに転職してよかったことも多いですが、大変だと感じたこともありました。
以下にまとめていきます。
移動や自宅でのリハビリは大変
東京都で勤務していたため移動は基本自転車でした。
そのため
- 雨の日や猛暑の中の移動
- 長時間のリハビリや移動でトイレがない時
以上がとても大変に感じました。
また自宅でのリハビリになるので環境によっては困ることがあります。
- 家がすごく汚い、狭い
- 真夏に冷房がない
- 利用者様・家族に暴言を吐かれる
などがありました。
急変や転倒時の対応
病院では急変・転倒などの緊急時、助けを呼べばすぐに人が来てくれます。
しかし訪問リハビリは基本1人のため緊急時は自分のみで対応しなくてはいけません。
転倒はいつでも起こりうるものです。
また状態が悪く急変のリスクが高い方の場合はドキドキしながら訪問していました。
他職種とのコミュニケーションが取りにくい
病院勤務ではすぐ近くで医師、看護師、その他コメディカルがいるため情報交換がしやすいです。
しかし訪問リハビリでは難しく、電話やFAXが主な手段となります。
電話をかけても相手は訪問中のため連絡が取れない、なんてことも。
他職種と連携を取る必要性が高い場合は連絡ノートを利用者様宅に置かせてもらうなどの対応をしていました。
最近ではICT化によりチャットアプリ等で連絡を取れることもありますよ。
まとめ
いかがだったでしょうか。
大変なこともありますが、私は工夫次第で対応することができました。
そのため訪問リハビリへ転職してよかったと感じています。
どなたかの参考になれば幸いです。